リンクアンドモチベーション 麻野耕司 | (後編)組織をクラウドで変革する時代へ!組織の状態を可視化し、改善を促す「モチベーションクラウド」とは? | HERO MAKERS

 

株式会社リンクアンドモチベーション 執行役員 麻野耕司

 

リンクアンドモチベーションは独自技術の「モチベーションエンジニアリング」によって、組織変革を実現するコンサルティングファームです。年間1,000社を超えるクライアントの変革に携わり、近年では投資事業やグローバル人材の育成など、幅広いビジネスを手がけています。今回は執行役員の麻野耕司氏にご自身の経験や国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」立ち上げの背景をお伺いしました。

 

組織や人事コンサルは科学的に実施していく時代へ

 

−− 「モチベーションクラウド」の立ち上げで苦労した点をおしえてください。

クラウドサービスはUX(顧客体験)を中心に置き、企画・開発・販売・運用といった各機能を連携させながら、改善し続けていく必要があります。しかし、様々な顧客の声を拾って改善していく中で、メンバー同士の世界観が共有されていないと、それぞれバラバラな顧客のニーズに応えていってしまいます。その結果、プロダクトの世界観がどんどん違う方向に進んでいく。そこのコントロールがすごく難しいと感じました。

 

今回のサービスはとにかくシンプルなものに仕上げたいと僕は思っていました。様々なタイプの人が使うことを想定して、直観的に操作できるようにしたかったんですよね。しかしサービスの開発をメンバーに任せていたら、余計な機能やその説明が多すぎて複雑な印象に仕上がっていました。世界観を各メンバーに浸透させないままスピード重視で進めたので、こういったズレが多々起こり、結局やり直すことが多くなってしまいました。個人的にそこはすごく反省していて、今はじっくりと世界観やコンセプトについて時間をかけてメンバーと議論するようにしています。

 

もう一つ苦労したことはいわゆる「イノベーションのジレンマ」です。私たちの部門で目の前の収益を上げようと思ったら新規事業をやるより、既存事業に力を入れたほうがいいんですよ。社内で評価されやすいのは目の前の収益を上げることです。自分の評価は全く気にならないのですが、一緒にやってくれるメンバーたちには常に申し訳ないと思っていました。なぜなら既存事業だけをやっていれば、今以上に足元の業績が上がり、会社からもっと評価されるはずの人材ばかりだからです。しかし、この事業を実現するには、部門の中で既存事業から新規事業にリソースを移さなければいけない。自分の想いを伝えたところ、メンバーたちは「僕たちも目先の自分の評価よりも麻野さんのビジョンを一緒に実現したいです」と言ってくれました。目先の収益を犠牲にして、将来に投資することに関する葛藤は常につきまとっていましたね。だから、一緒に挑戦してくれているメンバーたちには心から感謝しています。

 

 今後の組織・人事コンサルティング業界についてはどうお考えでしょうか?

組織・人事コンサルティングの世界は非常に属人的になっています。初期投資が不要で、個人でもビジネスが可能なので、個々のコンサルタントが個人事業主としてバラバラにサービスを提供しているのが現状です。また、定性的にしか評価されてこなかった領域なので、勘と経験に基づいて仕事が進められることが多かった。このままだと業界全体に経験や知見、データが蓄積されていかず、発展していくことが難しいでしょう。ITの進化でデータが活用しやすい世の中になってきたので、組織・人事コンサルティングの世界も、属人的なやり方から科学的におこなう時代になってくると思います。

 

これからはさらにビッグデータと人工知能がもっと発達していき、この2つを掛け合わせることで、人事の世界にイノベーションが起きるはずです。弊社には膨大な組織・人事コンサルティング関連データが集まってきている。そのデータと人工知能を組み合わせて、モチベーションクラウドから自動的に組織開発のためのアクションプランをクライアントに提示できるようにするのが今後の目標です。各企業の業種や規模、そしてモチベーションインデックスの結果から判断したアクションを人工知能が教えてくれる。そうすれば、コンサルタントに頼らずとも、現場や人事の方々が自ら組織を変えられる。そんな未来を創りたいと思っています。

 

 

これからは「日本の人事」として、どう立ち振る舞うべきか

 麻野様が注目している業界・他社サービスはありますか?

HRテック(ヒューマン・リソース・テクノロジー)にはすごく注目しています。上記で述べたような未来へ向かうためには、大きく分けると2つのデータが必要だと思っています。それは人事のデータと組織のデータですね。組織のデータの部分に関してはリンクアンドモチベーションがデータベースとして圧倒的に先行しているのですが、人事のデータに関しては、面白いHRテックがいくつか出てきている。弊社の投資先では、採用や評価、労務、勤怠、給与など、これまでしっかり蓄積されていなかったデータを蓄積しようとしていますよね。その人事のデータと弊社が持っている組織のデータを統合させると、様々な分析ができると考えています。

 

(※HRテック:人事の領域である採用、リーダー育成、評価、報酬などクラウドや人工知能などのテクノロジーを融合させたサービスのこと)

 

 今後の貴社の展望をお聞かせください。

僕はこの国の最大の資源は「人」だと思っています。日本は広大な国土や豊富な天然資源があるわけでもない。今後も「人」を大切にして発展させていかなくてはなりません。リンクアンドモチベーションとしては、日本の人事領域を牽引できるような存在になりたいと思っています。しかし我々だけでできることは限られているので、人材業界や研修業界、コンサルティング業界の皆さんと連携してこの国の組織をもっと活性化させていきたいです。

 

 

あと、経営陣でよく話しているのは、これから「日本の人事」としてどう立ち振る舞うべきか、ということです。これから日本全体の労働人口が減少していく中で、外国人や移民の受け入れ、外国人の採用育成、そして今まで働いてなかったシニア層や女性たちにどう労働市場へ参加してもらうかを考えていく必要があります。そういった広い視点での活動にも、今後は力を入れていきたいですね。

麻野耕司氏インタビュー、前編記事はこちら

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