シンクスマイル 新子明希 | (前編)営業会社から事業会社へ。話題の「HoooP」を手掛けるシンクスマイルが1年がけで挑んだ商品力と組織の変革 | HERO MAKERS

 

株式会社シンクスマイル 代表取締役 新子明希

 

社員を褒め合う社内モチベーションSNS「HoooP」で注目を浴びるベンチャー企業・株式会社シンクスマイル。ユニークなアイデアで独自の道を進む同社ですが、「HoooP」も、そして会社も、誕生したきっかけは意外なところにありました。シンクスマイルの新子社長が「HoooP」ヒットの秘訣を話します。

 

「何でも売れる」からこそ、世にないものを作りたい

 

—— 新子社長のご経歴を教えてください。

 私は会社員経験が一度もありません。19歳のとき、教材の訪問販売を個人事業主として開始したのがビジネスのはじまりです。その後は自分でデザインした宝石だったり防犯機器だったり……いろんなものを売ってきました。その過程で仲間が増え、だんだんとチームになっていって。

 

ターニングポイントは美容室やエステサロンなどにスタンプカードを売っていたときです。スタンプカードはリピート客を増やすためには効果的なのですが、新規のお客様を増やすのに苦労されている店舗が多いことに気付きました。

 

サロンのサービス料金は高いので、お客さんは思い通りにならないのではないかという不安から、積極的に新規店舗に足を運ぼうとはしません。それで、サービスの“お試し”が出来たらこの課題は解決できるのではないかと考えました。メンバーも25人まで増えていましたし、このアイデアの事業化をきっかけに営業組織から商品を生み出す組織へシフトチェンジしていこうと思い、2007年に会社を設立しました。

 

—— その会社こそが現在のシンクスマイルですね。

 当初は「アイコンサルティング」という社名で、2011年に経営理念の言葉選びをしたタイミングで「シンクスマイル」に変更しました。会社設立のきっかけになった、サービスの“お試し”ができるサービスが、日本最大級のお試しサイト「トラコレ」です。現在までに1万店が導入し、40万人ほどが使っています。

 

自社用SNSを商品化。商品力と組織力を強化し大ヒットへ

 

—— 御社の代名詞でもある「HoooP」はどのようにして生まれたのでしょうか。

 個人事業主から社長になって、経営理念や社員が楽しく働ける環境づくりが必要だと感じました。そこで、面白い人であることを大切にゲーム事業などを提供する面白法人カヤックや、顧客サービスのクオリティを徹底して追求しホテル事業を展開するザ・リッツ・カールトン社を訪問してこれらのノウハウを学んでいきました。

 

ザ・リッツ・カールトン社は全世界で4万人もの従業員を抱えているのにみんながイキイキと仕事をしています。その秘訣が「理念の浸透」と「褒め合い」でした。社員一人ひとりが毎朝「あなたのこの行動はクレドの何番を体現化していて素晴らしいです」と褒め合っているところにヒントをもらいました。理念を浸透させつつ社員一人ひとりの個性を“見える化”しようと思い開発したのが、社員が社員を褒め合う社内モチベーションSNSHoooP」です。当時は自社で使うツールの一つとしか考えていませんでした。

 

—— 社内のひとつのツールだった「HoooP」がここまで拡大した要因は何でしょうか。

 「HoooP」は201411月からASP版の販売を開始し、現在までに800社で導入、18,000人が使うサービスになりました。もともと弊社が強みとしていた営業力に加え、エナジャイズ社のコンサルティングを受けたことが大きな要因です。弊社では、新規事業の開発スピードを高める『DIVE』と「すごい会議」を使った組織変革『マネジメントコーチング』の2つのコンサルティングをそれぞれ半年間受け、商品力と組織力も強化していきました。『DIVE』は20155月〜11月、『マネジメントコーチング』は10月から開始して現在進行形で動いています。

 

商品力アップの“作法”を身につけ、アイデア出しが活発化

 

 

—— 『DIVE』についてお伺いします。商品面に何か課題があったのでしょうか。

 プロダクトは生み出すのは簡単ですが、練り上げるのはその何倍ものパワーが要ります。私たちは“売る”ことばかり極めてきたので、商品をブラッシュアップさせるメソッドを知らず、直感で動くしかありませんでした。

 

『「世にないものを売る」と決めたからには、プロダクトをリリースしたらマーケットの声には謙虚でいよう』というルールを設けていたこともあり、お客様からいただいたご意見一つひとつを反映させようとしていました。しかし、全てのニーズに応えているうちに「何が本当なのだろう?」とみんな混乱し始め商品開発の方針にブレが生じました。

 

—— 『DIVE』ではどのようなコンサルティングを受けましたか。

 「HoooP」のプロダクトに関わるメンバー6人でコンサルティングを受けました。最初に教わったのは、「共感→問題定義→創造→プロトタイプ→テスト」の流れで商品を改善していくというメソッドです。お客様をよく観察して自分たちで問題を定義してから、すぐに実行に移す。これがブラッシュアップの骨組みになりました。

 

他にも、「新規性、有用性、実現可能性の3点で迷ったとき、どれを最優先してプロダクトをつくり上げるか」という考え方も勉強になりましたね。『したことない。を減らす』を経営理念に掲げている会社なので、新規性にばかり目がいってしまっていました。でも、「有用性」すなわち役に立つかが最も重要だと教えてもらいました。言われてみればその通りなのですが、身をもって実感しました。

 

—— これらのメソッドを教わったことで会社やサービスはどう変わっていきましたか。

 「こちら側からお客様に聞く」ことが癖づきました。「HoooP」は1ヶ月の無料お試し期間を経て有料契約を結ぶので、有料契約に至らなかったお客様の意見を重点的にヒアリングするようになりましたね。「HoooP導入によって逆に一部社員のモチベーションが下がった」という意見をいただいたときは、その社員が貰ったバッジ数のランキングで下位になっていることが原因だと考え、一般社員は下位の社員が誰であるか確認できないようにして、管理者だけ全員のランキングを確認できるといった改善策を実行していきました。

 

—— 社員一人ひとりの意識や行動に変化はありましたか。

 アイデアの出し方、考え方が身に着いたことで、積極的に意見が出るようになりました。コーチから、アイデアを生み出す段階はとにかく量が勝負だという「生成と評価を分ける」という考え方を教えてもらったのが大きいと思います。今までは意見を出そうとしても「やっぱり的外れかな」と遠慮しがちだった社員も、気兼ねなく発言するようになりました。

 

新子明希氏インタビュー、後編記事はこちら 

 

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