ウィルゲート 吉岡諒 | (後編)たった6ヶ月で営業組織と開発組織を変えたマネジメントコーチング | HERO MAKERS

株式会社ウィルゲート 専務取締役 吉岡諒

 

Great Place To Work働きがいのある会社ランキングで4年連続、ベストカンパニーを受賞しているコンテンツマーケティング支援会社『株式会社ウィルゲート』。理念経営と事業創造の両立を目指し、新規事業を生み出しながら右肩上がりで成長し続ける裏側には“会議の変革”がありました。エナジャイズ社のマネジメントコーチングによる営業組織と開発組織の変化について、ウィルゲートの共同創業者であり専務取締役を務める吉岡氏にお話を伺いました。

 

自ら主体的に動くというアグレッシブな開発グループへ

 

—— 開発グループのコーチングについて教えてください。

 開発グループでは自社サービス向けのシステム開発を行うのですが、「何を開発するか」については事業部門との話し合いで決めています。そのため、納期遅延なく頼まれたものを新しく開発すること、過去に開発したシステムの改善やエラーやバグを失くすことが開発グループの任務となります。

 

しかし、このような体制で業務を続けて行くうちに、開発グループから「要望を受けるだけの仕事」に対する不満の声が上がってきました。ただ言われたものを作るだけではなく、自分たちも自社サービスをよりよくするために必要な仕組みを主体的に提案したいという気持ちが、開発グループメンバーの中で強くなっていったのです。

 

このような開発グループの気持ちを知ることができたのは、コーチングを導入して「どんなチームにしたいのか?」について話し合ったからです。

 

—— コーチングはどのくらいの頻度で行われますか。

 月に12度コーチが来社して、1回につき5時間程度の会議を実施します。開発グループは約20人のチームなのですが、役職者を中心にメンバーを構成しました。コーチ1名に対して58人がコーチングに最適な人数と聞いています。参加できなかったメンバーは、参加者から話を共有してもらって目標達成に向けてみんなで動いていきます。

 

コーチングで学んだ会議の基本姿勢

 

—— 開発グループのコーチングでは、どんなことを学びましたか。

 「すごい会議」は付箋とペンが配られ、コーチからの問いかけに対する意見を付箋に書くというやり方をします。このやり方では、他の人の意見に対して「私も同じです」ということが言えなくなりますので、自分の意見を言わない人がいなくなります。

 

自分が書いた意見を発表する時には「シンプル・ショート・ストレート」の3Sを心がけるように教えられます。発表すると言っても、付箋に書いたことをそのまま読むだけで、補足説明などは要りません。より多くの意見が出るので、会議の内容が濃くなります。このテクニックはウィルゲートに今も根づいていて、付箋とペンを使って会議を進めることが増えましたね。

 

—— コーチングの内容をもっと詳しく教えて下さい。

 すごい会議では「評論家になるな」という言葉がよく出てきます。これは、批判するだけでは駄目だということです。批判する時には必ず改善案とセットで発言するように、と教わります。例えば「Aさん、それダメなんじゃないの?」といった発言をするとコーチから、「それは批判しているだけ。どうしたらよくなるのかについても提案して下さい。」と何度も言われるんですよ。「Aさんに提案があります。ここはこのようにした方がよいのではないでしょうか。なぜなら・・・」というフレームワークがあることで、ただ否定するだけの発言がなくなり、会議の質も上がります。

 

「評論家になるな」というようなことも、外部の専門家の言葉だと思うと説得力がありますよね。同じことを社内の人間が言った場合には、あたりが強く感じてしまうと思いますが、コーチに言われると受け入れやすいようで、会議もプロジェクトも進みが早くなりました。

 

—— メンバー自体にはどんな変化がありましたか。

 すごい会議の研修には「事実と解釈」というものがあります。例えば、「私は背が低いからモテない」と言っている人がいたとします。そのモテない理由が“事実”なのか“その人の解釈”なのかをみんなでディスカッションするという内容です。

 

この例の場合では「背が低いからモテない」のは本人の解釈でしかありません。事実は「私の身長は165センチだ」ということだけになります。165cmの身長を「高い」と感じるか「低い」と感じるかは相手ですし、それがモテない理由であると本人が思い込んでいるだけです。もしも「モテない」ということを“事実”として説明するのであれば、「私は彼女が60ヶ月いない」といった具体的な数字が必要です。

 

つまり「Aさんの営業手法は非効率だからやめた方がいい」ということを伝えたい場合には、「Bさんは受注率20%で、Aさんは2%だから、Aさんの営業手法は効率が悪いのではないかと思います。」という風に具体的な数字を交えて発言するということが求められます。コーチングを通して、データや事実に基づいた提案が自然と生まれるようになりました。

 

コーチングによる開発グループの成果と課題

 

 

—— 吉岡さんが感じた開発グループの変化はどのようなものですか。

 開発グループと他部署の距離が一気に縮まりましたね。開発グループのメンバーは『社内満足度100%』を目指していたので、全社員向けに「開発グループに関するアンケート調査」を行ったんです。開発グループへの満足度を点数化したところ、最初の数字は100点満点中30点くらいでした。点数に対してメンバーはショックを受けていましたが、アンケートの結果を受けて、どこに不満を持たれているのかについて冷静に分析していきました。

 

さらに、直接足を運んで営業チームの声を聞いてまわっていました。営業チームの朝会に開発グループメンバーが参加したり、業務外でも部署間で飲みに行ったりして、社員同士の仲も深まって開発グループだけでなく会社全体の空気も良くなっていきましたね。コーチングによって、今まで分断されがちだった開発グループと他部署がひとつになっていったのです。

 

最終的に開発グループに対する満足度も30点から80点まで上がり、他部署との相互理解が深まりました。そして、リンクアンドモチベーション社の組織サーベイにおいて問題となっていた開発グループの満足度スコアも「Cランク」から「Aランク」まで一気に引き上がりました。6ヶ月に及ぶ「すごい会議」のマネジメントコーチングが開発グループを変えたのです。

 

—— コーチングを受けた上での課題はあるのでしょうか。

 一番の課題は、コーチングを受けた人とそうでない人の温度差が大きくなってしまうということですね。コーチングに参加していない人は、参加者の高いモチベーションやその勢いについていけないんです。参加していない人を上手く巻き込むことが重要です。

 

また、参加者からは通常業務と並行してすごい会議に参加することが難しかったという感想もありました。目標達成のための多くのToDoがあるので、どうしても通常業務との板挟みになってしまうようです。そのため、業務量が多く余力がない部署はあまりコーチングに向かないかもしれません。

 

コーチングが終わった後は、研修を受けたメンバーがコーチのような立場になって会議やプロジェクトを進められるようになります。すごい会議には社内コーチ制度というものがあって、社内のコーチを育ててくれるということですね。PSユニットについては私がコーチとなってプロジェクトを進めたのですが、開発グループにはコーチにすぐになれそうなメンバーがいなかったんです。そのため、外部からコーチが来なくなった後に開発グループはプロジェクトの進みがじょじょに遅くなりました。こういう問題が出てくることもあります。

 

コーチングが向いている会社とは

 

—— どのような会社にコーチングをお薦めしますか。

 今より良い会社にしたい、お客様に対してより高いインパクトを出していきたいと思っている会社にお薦めしたいですね。コーチングを通じて社員が育ちますし、コーチング終了後にも使えるノウハウが得られます。特に、変化を望む会社との相性はよいと思います。ただ、決して気軽に導入できる金額ではないので、やるからには全力で課題に向き合う必要がありますね。

 

—— 最後に、ウィルゲートの今後の方向性を教えてください。

理念経営と事業創造を両立できる会社を目指します。現在注力しているコンテンツマーケティングの「サグーワークス」と「暮らしニスタ」に共通しているのが、「好きなこと・得意なことを生かせて、自分の成長にもつながるプラットフォーム」であるということ。この2サービスのユーザーを増やす、ユーザーへの提供価値をさらに高めることを通じて「一人ひとりの『will』を実現する」というウィルゲートの理念を実現したいと思っています。また、さらに理念を体現できるような新規事業をどんどん立ち上げていく予定です。

 

吉岡諒氏インタビュー、前編記事はこちら

 

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